片田舎のおっさん 剣聖になる原作はどこまで？小説と漫画の巻数を比較

アニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』がスタートし、原作ファンはもちろん、初見の視聴者からも注目を集めています。

「アニメはどこまでの内容？」「原作小説や漫画の巻数とどのあたりが対応しているの？」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』の原作がどこまで進んでいるのかを、小説・漫画の巻数と展開を交えてわかりやすく比較解説します。

アニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』は原作小説のどこまで？

2025年4月より放送が開始されたアニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』は、原作ライトノベルをベースにしたアニメ化作品として注目されています。

アニメ版ではベリル・ガーデナントが王国騎士団の指南役に就任し、再び弟子たちと関わる過程を中心に描かれており、物語の導入から初期の大きな山場までがしっかりと映像化されています。

では、そのアニメが原作小説のどこまでを描いているのか、詳細に見ていきましょう。

アニメは小説3巻中盤〜終盤が目安

現時点で放送されている内容をもとに推察すると、アニメ第1期は原作小説の1巻から3巻後半までのエピソードが網羅されていると見られます。

ベリルが騎士団に迎えられ、ヘンブリッツとの模擬戦に勝利することでその実力が明らかになり、教え子たちが続々と登場してくる過程が描かれており、原作読者にとっても「待っていた展開」が丁寧に再現されています。

その中でも特に、弟子の一人であるスレナとともにネームドモンスター「ゼノ・グレイブル」と対峙するシーンは、アニメ1期のクライマックスとも言える迫力ある戦闘描写が期待されています。

ゼノ・グレイブル討伐編が1期の山場

ゼノ・グレイブルとは、冒険者ランク最高位のスレナでも警戒するほどの強力個体であり、通常の冒険者では歯が立たない危険な存在です。

このエピソードで、ベリルの「見切り」による剣技と、スレナの圧倒的な体力を活かした連携戦が展開され、原作小説でも人気の高い章のひとつです。

アニメ版ではこのゼノ戦をひとつの山場として配置することで、シリーズ全体の構成にもメリハリが生まれており、視聴者の満足度も高まっています。

また、この戦闘後にベリルが新たな相棒となる「ゼノの鉤爪を素材に鍛えられた剣」を手にするという展開も、彼の成長と変化を象徴する重要な転機として描かれるでしょう。

以上から、アニメ1期は原作小説の3巻終盤、ゼノ討伐エピソードの決着あたりまでが描かれる構成になっていると考えられます。

原作小説の巻数と展開をチェック

アニメで『片田舎のおっさん、剣聖になる』にハマった方が次に気になるのは、原作小説の巻数とストーリーの広がりではないでしょうか。

実はこの作品、アニメで描かれている部分は物語のまだ序盤に過ぎません。

原作小説では、主人公ベリルの活躍は王都の騎士団にとどまらず、教会勢力との対決や国を巻き込む陰謀へと広がっていきます。

既刊9巻のうち序盤3巻がアニメ範囲

2025年3月時点で、原作小説は既刊9巻が発売中です（SQEXノベル刊）。

アニメ1期がカバーしているのは、このうちの第3巻後半までであり、まだ全体の3分の1にも満たないボリュームです。

つまり、今後の展開を知りたい方は、4巻以降を読めばアニメの“その先”が楽しめるというわけです。

小説版は章ごとに物語の焦点が明確に分かれており、テンポよく進むのも特徴です。

登場人物が多いにもかかわらず、それぞれの視点で描かれるエピソードによって、キャラの魅力が丁寧に掘り下げられているのも人気の理由のひとつです。

4巻以降は教会や魔術学院など本格展開へ

4巻からは教会騎士団やスフェン教といった新たな勢力が登場し、物語は一気にスケールアップしていきます。

ここでは“蘇生魔法”や“死体操作”といったダークなテーマが扱われ、ベリルの「剣だけでは守りきれない現実」にも直面します。

また、魔術師団や魔術師学院での教鞭エピソードでは、ベリルの“師匠としての顔”がさらに際立ち、戦闘以外の人間味も深掘りされていきます。

これらの展開により、序盤では“謙虚で強いおっさん”だったベリルが、王国の中枢に関わる重要人物へと成長していく様子が描かれていきます。

アニメがきっかけで本作に興味を持った方は、ぜひ小説4巻以降を読み進めてみてください。

漫画版の進行度と特徴は？

アニメ・小説に続き、もう一つ注目すべきはコミカライズ版の展開です。

『片田舎のおっさん、剣聖になる』の漫画版は、秋田書店の電子雑誌「どこでもヤングチャンピオン」にて連載中で、既刊7巻（2025年3月時点）まで刊行されています。

アニメとの相違点や、コミカライズならではの魅力を詳しく見ていきましょう。

既刊7巻でアニメよりもやや先行

漫画版は原作小説に準拠した構成で描かれていますが、アニメと比較するとやや先行しており、小説4巻の前半までをカバーしていると考えられます。

つまり、アニメ1期終了後に「続きが気になる！」という方は、漫画版の6巻〜7巻あたりを読めば、先の展開をすぐに追える構成となっています。

漫画のテンポは比較的スピーディーで、戦闘シーンの迫力やキャラの表情の変化が視覚的にわかりやすく、アクション重視の読者にも非常に相性が良い作品です。

演出の違いやオリジナル要素もあり

漫画版の最大の特徴は、アニメや原作では描き切れなかった細かな表情や心理描写が補完されている点です。

たとえば、ベリルと弟子たちの間に流れる空気感や、アリューシアの“恋愛感情”のような細やかな感情表現が、コマ割りや間（ま）を使って丁寧に描写されています。

さらに、一部の戦闘ではオリジナルの台詞や補足シーンも加えられており、アニメだけでは伝わりづらいキャラの背景を深掘りしてくれる構成です。

コミカライズ作品の中には、単に原作をなぞるだけで終わってしまうものも少なくありません。

しかし本作は、作画の乍藤和樹氏が「原作をリスペクトしつつも、漫画としての面白さを意識した再構成」をしており、原作者・佐賀崎しげる氏も公認で評価しています。

つまり漫画版は、アニメと原作の“良いとこ取り”をしたバランス型の補完媒体とも言えるでしょう。

スピンオフ作品との関係も確認しておこう

『片田舎のおっさん、剣聖になる』の世界観をさらに楽しみたい方にとって、スピンオフ作品の存在は見逃せません。

本編では語られなかったキャラクターの過去や視点の違いが描かれており、物語の厚みを加える“裏側の物語”として機能しています。

ここでは、2025年現在刊行されている2つのスピンオフコミックスをご紹介します。

はじまりの魔法剣士はフィッセル中心の外伝

2024年11月より連載が始まった『片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 はじまりの魔法剣士』は、フィッセル・ハーベラーの視点で物語が描かれています。

彼女は剣術と魔術の両方を修める“剣魔法”の使い手で、ベリルから剣を、魔法はルーシーから学んだという複雑な背景を持つキャラクター。

このスピンオフでは、彼女が剣魔法を身につけるまでの道のりや、過酷な努力の裏に隠された内面が丁寧に描かれています。

特に、教師として生徒を導く立場になってからの葛藤や、ベリルとの再会で変化する感情など、本編では語られない深層心理が魅力です。

原作ファンにとっては必読のスピンオフといえるでしょう。

竜双剣の軌跡はスレナ視点で描くサイドストーリー

もう一つのスピンオフ『片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 竜双剣の軌跡』は、2025年2月から連載開始されたばかりの新作です。

こちらは、冒険者ギルド最高ランク「ブラック」の双剣使い、スレナ・リサンデラに焦点を当てた物語です。

スレナがベリルの元で剣を学び、数々の修羅場を乗り越えて成長していく過程が描かれ、豪快な戦闘スタイルとは裏腹な繊細な心の機微も明らかになります。

彼女の過去や葛藤、ベリルに対する想いなどが語られることで、本編での彼女の行動の意味がより深く理解できるようになります。

さらに、スピンオフはどちらも原作者・佐賀崎しげる氏の監修のもと制作されており、世界観の整合性も保たれています。

本編を読み終えたあとでも、「もっとこの世界を味わいたい」という読者にとって、スピンオフは極めて価値の高い追加コンテンツとなっています。

片田舎のおっさん 剣聖になる原作とアニメの違いまとめ

ここまで見てきたように、アニメ版『片田舎のおっさん、剣聖になる』は原作の魅力を凝縮した良質な構成でありながら、あくまで“序章”にすぎません。

小説・漫画・スピンオフを併せて楽しむことで、ベリルという人物の奥深さや、弟子たちが抱える葛藤と成長の軌跡がより立体的に見えてきます。

ここでは、改めてアニメと原作の違い・補完関係を総括していきましょう。

初めての人はアニメ終了後に小説4巻から読むのがおすすめ

アニメから入った読者にとって、小説第4巻以降はまさに“未知の領域”です。

王都を舞台にした初期エピソードの後には、スフェン教や教会騎士団、魔術師学院といった政治・宗教・学問が絡むより複雑なストーリーが展開されます。

これらの章では、戦闘よりも人間関係や信念のぶつかり合いが重視され、ベリルの人格そのものが試されていくのです。

また、物語の規模も急速に広がり、“片田舎の剣術師範”だった男が、国の命運を左右する存在へと変化していく過程は圧巻。

このドラマチックな成長曲線を、ぜひ原作小説で味わってください。

先が気になる人は漫画で続きをチェック

小説はちょっと…という方におすすめなのが、漫画版の6巻以降です。

アニメと同じ流れをたどりつつも、描写の深さやテンポが異なり、“もうひとつの視点”として楽しむことができます。

特にキャラの感情表現や戦闘の描き方は、漫画ならではの迫力があり、読み応え十分です。

そしてスピンオフを含めれば、フィッセルやスレナなどサブキャラクターの深堀りまで網羅できます。

アニメをきっかけにこの世界に入ったなら、ぜひ“ベリルの背中”を追って、もっと遠くまで旅してみてください。

静かに、しかし確実に成長していく無自覚最強の男が、読者の心に何を残すのか。

その答えは、原作のページの中にあります。